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ストーリー
the story of "slow"

バックグラウンド・ストーリー


彼女の名前は桐野陽子。桐野は将来を期待される優秀なバイオリニストである。彼女にはルームメイトがいた。彼女の名前は、北村スミレ。北村もまたバイオリニストであった。二人は、親友でありながら、最良のライバル同士であった。
 しかし、そんな桐野陽子の身に悲劇が襲いかかる。桐野は、病によってその両耳の聴力のほとんどを失ってしまった。それによって彼女はバイオリニストの道を断念せざるを得なくなる。
 悲嘆にくれた彼女は、その後アルコールに溺れ、重度のアルコール依存症にかかってしまう。

 そして、ある春の日、彼女身にはさらなる悲劇が襲いかかる。
 アルコールによって混濁した意識の中で桐野が見たものは、自分が殺したかもしれないルームメイト北村スミレの死体であった。
 
『slow』作家インタビュー/この作品のあらすじとみどころ》
聞き手:西藤(制作)

-今日はよろしくお願いします。
M「お願いします。」
-えっと、まずですね。今回はミステリーだそうですね。
M「ええ。ミステリーです。」
-ちょっと、いつもの少年社中からは想像できませんが何故でしょう?
M「・・・そうですね。ちょっと、いつもとは感じが違うと思います。初めて、女優が主役ですし(笑)。えと、なんでミステリーをやろうかと思ったかと言うとですね。ミステリーっていうエンターテイメントのジャンルが演劇界の中では、あまり開拓されてないっていうのがあります。」
-そういえば聞いたことないです。
M「ええ。僕の記憶に残ってるのは三谷さんの『出口なし』くらいかな。」
-僕も見ました。面白かったですね。
M「それと、僕は、ミステリーって結構演劇に向いてるって思うんですよ。ほら、ミステリーってまず『犯人を探してください』とか、『どうやって殺したか当ててください』っていう読み手や観客に対する明確な要求があるわけですよ。それって、とっても演劇的だなって思うんです。例えば、目の前にいる観客を笑わせたりおどかせたり、いろいろ毎回手法を凝らすわけなんですけども、それって結局観客に対して、『笑ってくれ』とか、『おどろいてくれ』っていう要求をいかにうまくだせるかってことなんですよね。しかも、映像とかと違って、その反応は直接帰ってくるし」
-なるほど。その点が演劇的であると
M「ええ。」
-今回のあらすじを教えてください。
M「舞台は、孤島にあるのアルコール依存症の治療院です。」
-アル中患者の話なんですか?
M「そうです。それで、そこに刑事がやってくるんです。1年前に起きた事件を追って。そして、彼が事件を追うごとに謎が深まっていく。まあ、そんな感じです。」
-あれ、チラシの彼女が主役じゃないんですか?
M「ええ。主役です。」
-その事件とどうからんでくるんです?
M「それは、言えません(笑)だって、ミステリーなんだもん。」
-それは、彼女が犯人ということですか?
M「どうでしょう?」
-ヒント教えてくださいよ。
M「ヒントですか?・・・ミステリーの基本なんですけど、犯人である可能性の一番低い人間ほど怪しいもんです。」
-怪しくない人間が犯人なんですか?
M「まあ。そうとも言えません。それは、作者のトリック、ひっかけかもしれません。」
-なるほど。とにかく、見て考えてくださいということですね。
M「はい。そういことです。」
-じゃあ、最後に一言お願いします。
M「えー。まあ、僕は昔から火曜サスペンス劇場が好きだったんで、ようやくミステリーに挑戦できることをとてもうれしく思ってます。とにかく、エンターテイメントプリズンの名に恥じない、エンターテイメントがテンコ盛りの芝居です。お誘い合わせの上ご来場ください。」
 
少年社中 「slow」 オフィシャルページ

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Shonen-Shachu "slow" 2000.4.8-4.17
presented by Shonen-Shachu
mailto: shachu@gag.net