天下の副将軍,水戸黄門。
当代一の名君として誉れ高いこの人物が,
かつて全世界を旅していた事は意外と知られていない。
▽
『西暦一六二六年、大陸の巨星落つ!!』
大陸で三百年の栄華を極める清帝国の初代皇帝。
姓は愛新覚羅。名はヌルハチ。
ヌルハチは大陸統一の志半ばにして戦傷により無念の死を遂げる。
そして彼の亡骸はモンゴルの大草原に埋められた。
しかし、その史実に異を唱えるものもいる。
戦場にて、いかづちに撃たれたヌルハチは瞬く間に灰となり、
広大な黄土より生まれ 出た黄砂と共に上空に舞い上がった。
そしてその灰は、大陸を越えてアジア全域へと広がっていった。
いかづちに撃たれる瞬間、
ヌルハチの手には奇怪な頭骨が握られていたという。
▽
『謀反の疑いあり!!』
時は流れ慶安三年(1650年)、江戸。
時代は徳川の世、三代将軍家光の治世。
牛込榎坂にて軍学の道場を開く由比民部之介正雪が、
幕府への謀反を計画している!
その報を受けた幕府は事の真相を探るために一人の男を江戸に呼び寄せた。
その男こそ隻眼の一大剣豪・柳生十兵衛三巌であった!!
真偽を確かめる為、由比正雪の軍学道場に潜入する十兵衛。
だがしかし、
そこで偶然にも人にあらざる力を持つ魔人の復活に遭遇してしまった!
果敢に戦いを挑む十兵衛だったが、圧倒的な強さの前になすすべもない。
しかもその上、魔人の秘術にはまり何処へと飛ばされてしまった!!
▽
一方、ユーラシア大陸は蒙古の大地。
鎖国の真っ只中にある日本を抜け出し、
世界を漫遊する日本人の一行があった。
後に天下の副将軍と呼ばれる水戸藩主、徳川光圀(二十六才)である。
新しく開かれた徳川幕府の外交の為に世界を周っている、 というのは建前。
彼には後世の人間の知らぬ、 もうひとつの顔があったのだ!
彼の狙いは世界各地に眠る数々の秘宝・財宝の類であった!!
今回の目標は蒙古の地に眠るという謎の秘宝『黄(イエロー)』。
それを手にするものは全アジアを手中に収めることができるという。
『黄』の鍵を握る清王朝に接近する水戸の一行だったが、
そこに待っていたのは魔人として蘇った太祖ヌルハチであった!
世界征服を策謀する魔人ヌルハチ!
新影流随一の使い手・柳生十兵衛三巌!
盗掘人トレジャーハンター・水戸光圀!
モンゴルを舞台に、謎の秘宝『黄』を巡る戦いが、今、はじまる!!
|